小学校にあるおもちゃ・・・図工とかで子供たちが作ったおもちゃではなくて、既製品のおもちゃの話です。
学校では、普通の教室にはおもちゃはないんですが、「相談室」と「通級教室」には、緊張の強い子が落ち着けるよう、また発達を促せるよう、既製品のおもちゃが用意されています。どれも良質なものです。
自分の子供がそういった場所にお世話になるようになって、学校にもおもちゃがあるということを初めて知りました。
私が見かけたものを書き出します。
カプラ
手のひらサイズの木の細い板を縦に横に積み重ねて、さまざまな形を作ることのできるフランス発のおもちゃ。
積み木のようですが、ワンサイズなのでシンプルな分、想像力がふくらみます。軽くで丈夫で加工精度も高いので、頑張れば15m以上積み上げられるそうです・・・!
子供が通った保育園にもありましたが、小学校にもありました。
これを黙々とやる子もいれば、みんなでわいわいやる子も。いろんな子が楽しめるおもちゃです。
クラッシュアイスゲーム
ペンギンを落とさないように氷の粒を1つずつ叩き落としていくゲーム。
強く叩くと一気に氷が落ちてしまったりするので、加減が難しい。でもそのスリルがまた楽しいです。
集中力のいるゲームということで、心を落ち着かせたい時にいいゲームなんだそうです。
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ベルズ
いろんな大きさの鈴が4色あるので、自分の色を決めて、磁石の棒で取っていきます。自分の色以外の鈴を取ったら失敗。
単純なルールですが、磁石が結構強力なので、よーく位置を考えて近づけないと、すぐ他の色の鈴がくっついてしまいます。
集中力と思考力が問われます。鈴の大きさがいろいろだったり位置によって取りやすさも変わってくるから、意外と難易度が高そうです。
ハバ(HABA) スティッキー
これも集中力と思考力が問われるおもちゃ。ドイツのおもちゃです。
3色の棒を全部輪っかに通し、画像のように立てたら、サイコロを振って出た色の棒を一本ずつ取っていきます。
うまーく取っていかないと、棒が全部倒れたり輪っかが落ちたりするので慎重に!
以前、天皇ご一家でも使われていたそうですよ。
もし大人と子供でやるときに能力差が大きければ、大人は利き手とは反対の手でやるとか、ハンデをつけるといいみたいです。
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ぴっぐテン
0〜10までの数字が書かれた手札を順番に出していき、出されたカードの合計がちょうど10になったら、そのカードの山をもらえます。やむなく10を超えてしまったら、山は前の番の人のものになる。
という、簡単な足し算ができれば楽しめるゲームです。
うちの娘が学習障害で算数が苦手だったので、通級教室でしばらくこれを使いながら簡単な足し算を練習していました。先生2人と娘の計3人で、楽しそうにやっていましたよ。
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他にもたくさんあったと思いますが、ひとまずこのあたり。
良質なおもちゃとは?
ネットで良質なおもちゃについて調べていると、よく出てくるのがドイツのおもちゃです。
ドイツでは、いいおもちゃと認定されるには以下の審査基準があります。
・対象年齢が子どもの年齢や発達段階に見合っているか
・子どもの創造力を育むものか
・子どもが遊びを工夫できたり、遊びのバリエーションが豊富か
・素材や加工は安全か
・創造力を邪魔しないデザインか
・子どもが理解できる構造か
・すぐに壊れない耐久性があるか
・環境に優しい素材を使用しているか
これらをクリアすると、オレンジ色の丸いマークがもらえるそう。
上に書いた「ハバ スティッキー」もオレンジマークがあります。
一方、日本のおもちゃにはSTマークという安全基準はあるんですが(参照:一般社団法人 日本玩具協会)、ドイツのような審査基準は見当たりませんでした。
ただ、ほぼ毎年行われている「日本おもちゃ大賞」に、部門別の審査基準がありましたので、学校に関係ありそうなところを一部抜粋します。(一部ですが文字多め・・・)
エデュケーショナル・トイ部門 ~知育・教育・教科学習に役立つ玩具
【該当するもの】
「ベビー、知育、遊びながら学べるもの」
【審査基準】
・新しい技術や機能、提案など着眼点に優れているか
・豊かな情操の発育、知識・知恵の発達に寄与する楽しさがあるか
・市場性、話題性があるか
ベーシック・トイ部門 ~五感を育む基礎的な玩具
【該当するもの】
「人形・ままごとなどごっこ遊び、動物、ぬいぐるみ、アート&クラフトなど」
【審査基準】
・新しい技術や機能、提案など着眼点に優れているか
・付加価値、プレイバリューなど遊びの楽しさに優れているか
・市場性、話題性があるか
コミュニケーション・トイ部門 ~世代を問わずみんなで楽しめる玩具
【該当するもの】
「ボードゲーム、アクションゲーム、カードゲーム、パズルなど」
【審査基準】
・新しい技術や機能、提案など着眼点に優れているか
・遊びの楽しさに優れ、コミュニケーションの促進につながるか
・市場性、話題性があるか
共遊玩具部門 ~目や耳の不自由な子もそうでない子も、障がいの有無に関わらず楽しく遊べるよう「配慮」が施された玩具(参照:共遊玩具推進事業 / 日本玩具協会)
【審査基準】
・視覚や聴覚に障がいがあっても遊ぶことができる新たな配慮がなされているか
・豊かな情操の発育、知識・知恵の発達に寄与する楽しさや、障がいの有無を超えてコミュニケーションを促進する楽しさがあるか
共遊玩具を除く全部門で、新しさ、市場性、話題性が共通して審査基準に入っています。経済重視な感じですね。
受賞したおもちゃはWikiにまとまっていますが、あまり素朴なものはない印象です。
日本おもちゃ大賞 - Wikipedia
経済効果を抜きにして、漠然と「良質なおもちゃ」を考える時には、やっぱりドイツの審査基準の方がわかりやすいのかな・・・
その点、学校にあるおもちゃはドイツの基準に近いかも。
ほぼ全てシンプルで、「子供が理解しやすく」「遊びを工夫できるもの」。そして流行りのキャラクターも付いていないので、買い替えなくていいし(私の感覚。笑)、年令が違っても楽しめる。
結局こういうのが、いいおもちゃなんだろうなと思います。
もう、うちの子はだいぶ育ってしまったけれど、買ってあげる機会があれば、または誰か小さい子に何かプレゼントする機会があれば、こういうのをあげてもいいかなと思いました。
通級教室のことなどは、こちらに書いています。
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